【ホテル・旅館】インバウンド観光客を受入れる際の注意点 2024/11/28|スタッフブログ

先日、観光庁から2024年10月の訪日外国人旅行者数について、
過去最高を記録した今年7月を上回る、過去最多「331万2,000人」との発表がございました。

紅葉シーズンの影響がやはり要因としては大きいですが、
冬に向けてスキーや観光などで訪日外国人旅行者数は増えることが想定されます。

上記を踏まえ、国外から多く訪れる「インバウンド観光客を受け入れるためにはどのような準備と注意が必要か」について
改めて考えて今後の集客に繋げていきましょう。

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【ホテル・旅館】インバウンド観光客を受入れる際の注意点

■はじめに

インバウンド観光客を受け入れる際、まず考えなくてはいけないのは「日本の宿泊施設に求めていることは何か」という点です。

こちらについては根本的な部分ですが「日本の魅力」と深く結びついております。
メディアやモニターアンケート等で多く挙げられる点としては以下かと思います。

日本の食文化
 寿司、ラーメン、天婦羅など種類豊富な食事は海外から高い人気を得ています。
 その中でも「和食 / Washoku」はユネスコ無形文化遺産にも登録され、今や海外でも広く浸透している外せない項目です。

固有の伝統文化や歴史
 先進国でありながらも、今なお数多く残る寺社仏閣や茶道・歌舞伎などの伝統文化は日本ならでは。
 特に実際に体験可能なアクティビティ(温泉、茶道、着物の着付等け)は好評です。

自然の美しさ
 春夏秋冬の区切りがはっきりとしている日本では季節ごとに移り変わる自然が大変美しく、観光客に強い印象を残します。
 前述の食文化にも繋がりますが、四季ごと旬の味覚も同時に楽しむことが出来るため飽きずに何度も訪れる観光客も少なくありません。

安全性が保たれている
 日本は治安のよい国や街が多いことで世界的にも認知されております。
 また、日本人の特性として礼儀を重んじる、相手への気遣いやおもてなしの心、差別や偏見なく丁寧なサービスを提供する等
 安心して旅行を楽しめるという点も好まれる要素の一つです。

上記はどれも宿泊施設でも提供・体験できる内容で、日本に滞在をする上では外せない要素になりつつあります。
宿泊に日本の魅力という+αの​体験サービスを提供することで、より「インバウンド観光客に求められる宿」になることができます。

■食文化とアレルギーへの配慮

まずは海外でも高い評価を受けている「食事」に焦点を当てて考えてみます。
日本ならではの味わいや食材を求めて訪れるお客様が多い中で、宿泊施設側としてもより良いものを提供したいという思いがあるかと思います。

より良い素材を使用することは殆どのお客様からお喜びの声が上がることと思いますが、
一方でこのグレードアップが裏目に出る事もございます。それが「食文化と習慣の違い」です。

実際に施設様からあったお声として、当日に牛肉料理を提供したところ
「宗教上の理由で牛肉が食べられない」「アレルギーがあるため別のものに変更をして欲しい」等食材を破棄したとのお話も伺いました。

国外問わず、アレルギー等への対応についてはどこまで対応すべきか以前から論議されていましたが、
さらに食習慣や宗教で食べ物に制限がある方々がいることは忘れてはなりません。

飲食事業者向けに農林水産省から出されている「インバウンド対応ガイドブック」が大変分かりやすいため
是非ご一読いただければと存じます。


※出典:農林水産省「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック(平成29年版)」


最近ですと、「フードダイバーシティ(食の多様性)」に対応する飲食店や施設様も増えてきております。
ハラールやヴィ―ガン料理を提供するプランも間口を広げるきっかけになりますので、
未対応の施設様は出来る範囲から是非ご対応検討いただけますと幸いです。


※出典:観光庁「ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム旅行者おもてなしガイド_資料編」

観光拠点としてはもちろんですが、食事を楽しみに宿泊施設に訪れる海外のお客様は多くいらっしゃいます。

Booking.comやExpedia等の「メッセージ機能」は海外のお客様はチャット感覚で頻繁に使用されます。
自動送信機能を活用することで、お電話よりコミュニケーションもとりやすく手軽にやり取りも叶いますので、
事前確認を用いてロスなく満足いただけるお食事をご提供しましょう。

■受け入れ環境の設備

先進国と呼ばれている日本ですが、文化の違いにより不便に感じる海外からのお客様も少なくありません。
はじめに記載した「施設へ求めること」はおもてなしはもちろんですが、
滞在する上で受け入れる設備・環境の見直しは必要になってまいります。

※既に終了している事業支援です。

※出典:観光庁「インバウンド受入環境整備高度化事業」

上記は代表的な例でございます。

外国人スタッフ採用を積極的に行う場合は「特定技能」資格を持った人材を雇用する、
施設情報・周辺観光等を搭載した「多言語アプリ」を導入する、
館内サインボードやお品書き、別注メニューの多言語化を行うなど異なる言語を用いる方々に対して「親切な環境づくり」をすることが大切です。

*弊社でも多言語コミュニケーションツール「プライムコンシェルジュ」を展開しております。

また、補助金を活用し環境自体をまるごと変化させることで国外のみならず、国内のお客様へもリニューアルを謳うことができ集客にも繋がります。
とはいえ改修工事中はフルでの営業は厳しいかと存じますので、冬期閑散期等で是非ご一考くださいませ。

■滞在マナーとトラブル防止について

海外からのお客様の受け入れ態勢を整える一方で、日本人観光客とのトラブル等も発生しうることがございます。

インバウンド観光客を多く受け入れている施設様に入ったとあるクチコミでは、
「咀嚼音や食事マナーの悪い海外の方が近くにいて不快になった」
「フリードリンクサーバーから直接ボトルに飲み物を注いでいる海外の方がいて衛生面が心配」等、
ホテル側の責任では無いですがそういったお声は少なからずあることかと存じます。

日本ではタブーとされている行為でも、その国ごとの習慣や文化で当たり前となっている行為もございます。
しかし中々お声がけをして注意するのは難しいかと思います。

そこで「多言語案内表示の掲示」や「マナー啓発動画」を事前共有することで緩和が期待できます。
下記、観光庁が広告会社とタッグを組んで作成したマナー啓発動画の一覧となっております。


※出典:観光庁「THE RESPONSIBLE TRAVELER 【マナー啓発動画フルバージョン】」

こちらは国際的な映像コンテストでも金賞を受賞しており、モニター調査でも動画内容を不快に感じる人は少ないとの回答があったとのことです。
トラブルにより、お客様から厳しいお言葉をいただいているが対応にお困りの施設様は
一度お試しいただくのもよろしいかと存じます。

■さいごに

急激に増加するインバウンド観光客を上手に受け入れ、円滑なコミュニケーションを図る為にも文化を理解し歩み合うことはとても重要です。

さらに、宿選びのポイントとして非常に重要なのは「自社ホームページの充実」です。
・多言語サイト化されているか?
・レスポンシブ対応されているか?
・アクセス情報や周辺観光スポットの紹介ができているか?
旅マエ情報を充実させるために、今一度サイト等を見直していただければと思います。

*ホームページ制作のプロがWEBサイトのチェック・アドバイスを行う「Webアクセシビリティ診断」も行っております。

チェックアウトまでお客様側も施設側もお互いが気持ち良く過ごせるように、
今出来る範囲で海外からのお客様のニーズに応えるような体制作りを行ってまいりましょう。

弊社では国内はもちろん、海外OTAサイトの立ち上げから多言語コミュニケーションツール、
多言語サイトの制作まで幅広いWEBの集客サポートを行っております。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談くださいませ!
 

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