【ホテル・旅館】宿泊税の状況と、宿泊施設でのOTA(DP)設定例 2024/10/10|スタッフブログ

こちらは、OTAにおけるマーケティングや煩雑で面倒なプラン入力を一括管理で代行する「WEB集客サポートサービス」のスタッフが、宿泊施設様が気になっている情報や豆知識など様々な情報を提供する記事サイトです。

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【ホテル・旅館】宿泊税の状況と、宿泊施設でのOTA(DP)設定例

2024年10月現在、観光振興を目的とした【宿泊税】が12の自治体で決定しており、30以上の自治体が検討中です。

そこで今回は実際に宿泊税導入が決まった際の各宿泊施設での対応例にフォーカスしました。
※2024年10月10日時点の公表情報をベースとしております。(相違がございましたらご指摘ください)
※あくまで対応例は一例となります。実際には各宿泊施設様で最もベストな方法でご対応ください。

■宿泊税を導入済みの自治体

~宿泊税の課税対象について~
・ホテル、旅館、民宿、ゲストハウスなどが対象となります。
・【宿泊税】での課税対象となるのは、基本的には『素泊まりの料金』と『素泊まり料金に対してのサービス料』の合計金額となります。
※上記記載の課税対象の内容は、今後、内容の異なる自治体がある場合がございます。
※消費税や飲食代、入湯税などの宿泊以外のサービスに関わる費用は課税対象外となります。(対象外例:食事、冷蔵庫の飲料、結婚式、宴会、エステ、プール、サウナ、ビデオ、クリーニング、電話、駐車場 等)
※課税対象の金額や税率は各自治体により定められる条例によって異なります。


~宿泊税導入済み(2024年10月現在)~

■東京都(2021年10月1日再開)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
10,000円以上 ~ 15,000円未満 100円
15,000円以上 200円
 
■大阪府(2017年1月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
7,000円以上 ~ 15,000円未満 100円
15,000円以上 ~ 20,000円未満 200円
20,000円以上 300円
 
■京都府京都市(2018年10月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
20,000円未満 200円
20,000円以上 ~ 50,000円未満 500円
50,000円以上 1,000円
 
■石川県金沢市(2019年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
20,000円未満 200円
20,000円以上 500円
 
■北海道虻田郡倶知安町(2019年11月1日~)
宿泊料金(素泊まり) 宿泊税
一律 2%
 
■福岡県|福岡市、北九州市以外(2020年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
- 200円
※内訳:県税200円/市町村税0円
 
■福岡県福岡市(2020年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
20,000円未満 200円
20,000円以上 500円
※200円内訳:県税50円/市税150円
※500円内訳:県税50円/市税450円
 
■福岡県北九州市(2020年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
- 200円
※内訳:県税50円/市税150円
 
■長崎県長崎市(2023年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり)  宿泊税 
10,000円未満 100円
10,000円以上 ~ 20,000円未満 200円
20,000円以上 500円
 
 

■今後の宿泊税導入決定の自治体

~宿泊税導入予定(2024年10月10日時点での決定分)~

■北海道ニセコ町(2024年11月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり) 宿泊税
20,000円未満 200円
20,000円以上 ~ 50,000円未満 500円
50,000円以上 ~ 100,000円未満 1,000円
100,000円以上 2,000円
※当分の間は5,001円未満の場合の宿泊税は100円を徴収
 
■愛知県常滑市(2025年1月6日~)
宿泊料金(1人1泊あたり) 宿泊税
- 200円
 
■静岡県熱海市(2025年4月1日~)
宿泊料金(1人1泊あたり) 宿泊税
- 200円


※宮城県仙台市:2025年11月導入予定として宿泊税の条例が成立しました。(2024年10月4日)
 「条例成立」の発表時点では宿泊税導入の正式発動や詳細などの情報は出ておりません。


 

宿泊施設での設定例 DP(AIR+ホテル)編

【宿泊税】の大きな特徴としては下記があります。
 ① 各自治体によって『課税対象の金額や税率』が異なる。
 ② 基本的には『素泊まりの料金』と『素泊まり料金に対してのサービス料』の合計金額となる。
消費税や飲食代などの宿泊以外のサービスに関わる費用は課税対象外となるのが基本となり、
地域によってはお客様の予約条件によって税額が異なることとなります。

エリア毎に条件が細かい点から、自社予約エンジン・OTAでの各社では、“現時点”では宿泊税額を自動的に計算することができません。
そのため、現状では「細かく対象料金を計算したうえで販売価格に乗せて告知する」、「現地徴収とする(精算時計算)」といった方法を宿泊施設様毎で対応することとなります。

宿泊単体商品の場合は上記の内容で対応ができますが、基本的に現地徴収が認められていない(宿泊サイトによる)DP商品(AIR+ホテル)ではどのように対応したらよいのでしょうか?
そんな疑問から、いくつかのOTAでのDP商品の特徴と対応例を確認してみました。

~DP商品取り扱いで確認できたサイト~

●宿泊税を自動徴収するOTA:ANA旅作、JALパック、じゃらんnet、楽天トラベル、一休.com、e宿
●宿泊税を現地徴収するOTA:るるぶ、ツアービルダー


※「ANA」と「楽天トラベル」については、期限までに専用のWEBフォームから宿泊税請求の申請が必要なのでご注意ください!(入湯税の自動振り込みと異なります)
※2024年10月10日時点での確認できた情報です。万一誤情報があればご指摘ください。
※条件や仕様が変更となる場合がありますので、実際に設定する際には各社の条件を必ずご確認ください。
※記載の対応方法は参考例です。


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■ANAのDP(旅作)
・管理画面に宿泊税の設定項目はありません。(入湯税はありますが宿泊税はありません)
・ANAでのDP商品(AIR+ホテル)については、入湯税と同様で現地徴収は不可となりますが、宿泊施設からANA側へ請求が可能です。
・宿泊税分の請求については、宿泊施設様よりANA宛に申請を出す必要があります。

※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■JALのDP(ジャルパック)
・管理画面の基本情報に宿泊税有無の設定項目があります。
・JALでは各プラン毎に「夕食代・朝食代等の金額」を設定することができ、システムで自動的に室料を割り出しての宿泊税を計算する仕様です。
そのうえで、宿泊代(サイトコントローラーから流した金額)にJALシステムで計算の宿泊税を自動追加してユーザーから自動徴収するシステムです。

※基本情報の項目にも基本食事金額を記載する項目があり、ここに金額を記載した場合には、“その後に作成”した宿泊プランにこの金額が適用となります。
1パターンの食事代の場合は設定しても構いませんが、複数の食事代が発生する場合には0円にしておき、各プラン毎の設定で金額を登録しましょう。
なお、基本食事代を設定した後に各宿泊プラン設定にて金額を更新した場合はプラン側設定の金額が有効となります。
※食事代金を0円のままにした場合は、消費税だけを除いた金額での宿泊税計算となります。(本来より高く徴収される可能性あり)
※対象自治体での宿泊税導入が決定した後にJAL側で「宿泊税あり」に切り替わりますので、宿泊税導入が決定したエリアの施設様は必ず管理画面を確認しましょう。
※徴収された宿泊税は自動的に宿泊施設へ支払われます。
※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■じゃらんnetのDP(じゃらんパック)
・管理画面の基本情報設定に宿泊税の設定項目があります。(入湯税同様)
・じゃらん側でユーザーより自動徴収となります。
 ※じゃらんパック経由の予約については「諸税設定“あり”」の内容は宿泊料金と合算して支払いとなる仕様です。

※ANA同様に食事料金の金額設定項目はないため、どのように室料分を算出して徴収しているかは不明です。
※管理画面での「諸税設定“なし”」とした場合は、諸税分を通常の宿泊料金に含めて料金設定する必要があるのでご注意ください。
 ただし、宿泊料金に宿泊税を上乗せすると諸税分との判断ができないためシステム利用料などの各種料金が想定よりも多く発生します。
※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■楽天トラベルのDP(楽パック)
・管理画面に宿泊税の設定項目はありません。
・DP(ANA楽パック/JAL楽パック)については、入湯税と同様で現地徴収は不可です。
・宿泊税分の請求は、別途施設側よりWEBフォームにて申請を出す必要があります。(JR楽パック赤い風船は申請不要)

※プラン料金への宿泊税上乗せ販売はしてはいけません。
※ANA同様に食事料金の金額設定項目はないため、どのように室料分を算出して徴収しているかは不明です。
※宿泊税を楽天側に「宿泊翌月の10日まで」に申請が必要です。(管理画面上部の「ヘルプ」から「宿泊税」と検索するとWEBフォームあり)
※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■るるぶパッケージ
・管理画面に宿泊税の設定項目はありません。
・パッケージでの宿泊税は現地徴収にて宿泊施設様対応となります。
・プラン本文内に「宿泊税を現地にていただきます」と記載するのは可能です。※宿泊税の●●円金額記載は承認不可となるのでご注意ください。

※るるぶパッケージでの「入湯税は自動徴収で案内記載NG」。「宿泊税は現地徴収で上記のように記載はOK」。内容違うので注意が必要です。
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■一休.comのパッケージ
・管理画面に宿泊税の項目はありますが、管理画面からの操作は不可です。一休営業担当者様にご連絡ください。

※「DP食事代テンプレート」という設定項目があります。
 プラン個別設定ではないため、宿泊税の課税対象自動計算は1パターン形式となります。
 そのため食事代は平均額や想定としたい金額で設定する必要があります。
 複数の食事タイプが存在する場合は、1つの食事タイプのみを提供して価格乖離を避ける方法もあります。
※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■e宿のDP
・管理画面に宿泊税の設定項目があります。
・「夕食代、朝食代」を記載する項目があり、サイトコントローラーから設定した料金に対して
 この項目で登録した食事代を自動計算して、室料に対しての宿泊税を自動上乗せで自動徴収となる仕様です。

※プラン毎での食事代設定ができず、1パターンのみの食事代設定となります。
 そのため、複数の食事タイプがある宿泊施設様の場合は販売方法を検討するケースがあります。
※マニュアルでは、「宿泊税をプルダウンから選んでください(対象地域●●)。食事代金を差し引くため、施設様の平均的な食事代金を設定してください。」と記載があり、複数の食事タイププランを販売する場合は「平均的な食事代金」とする必要があります。
 一休に記載したように、1つの食事タイプのみを提供して価格乖離を避ける方法もあります。
※プラン本文に宿泊税についての記載は不要です。
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■ツアービルダー
・管理画面に宿泊税の設定項目はありません。

※プラン本文に宿泊税の案内を記載して現地徴収となります。
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まとめ

【宿泊税】については、これから多くの自治体で対応を始めることが想定されており、実際に対応する際には戸惑うこともあるかと思います。
また、今後は各自社予約エンジンや、OTAでも対応方法が現状から変更になる可能性もあります。
もし、WEB操作でお困りのことがあれば、お気軽に【WEB集客サポート】についてお問い合わせください。
きっとお役に立てることがあるかと思います。

最後までお読みいただきいただきまして、ありがとうございました。

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