【第367回】WEB集客最前線 (地方誘客時代に問われる観光WEB戦略の行方) 2026/02/02|コラム
【第367回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (地方誘客時代に問われる観光WEB戦略の行方)について。

2026年度、観光庁の当初予算は約1,383億円規模。前年度比で約2.4倍に拡大
2026年度、観光庁の当初予算は約1,383億円規模となり、前年度比で約2.4倍に拡大した。
国際観光旅客税を主な財源とし、地方誘客の推進や需要分散、観光DXの強化に重点が置かれている。観光を通じて地域経済を下支えしようとする国の姿勢は、これまで以上に明確になったと言える。
インバウンド市場、需要の奪い合いが生じやすい局面に入る可能性
一方、市場環境は量的拡大を前提とした局面から変化しつつある。
JTBの予測によれば、2026年の訪日外国人旅行者数は約4,140万人と高水準を維持するものの、前年実績をわずかに下回る見通しとされている。急回復を遂げたインバウンド市場は、成長の勢いが一巡し、今後は需要の奪い合いが生じやすい局面に入る可能性が高い。
観光を地域経済や雇用を支える重要産業として捉え直す
こうした状況下で重要性を増すのが、観光を地域経済や雇用を支える重要産業として捉え直す視点である。需要の総量拡大が期待しにくい時代においては、限られた需要をいかに適切に配分し、地域へ波及させるかが、政策・事業双方に共通する課題となる。その実行手段として、WEB戦略の果たす役割は一段と大きくなる。
成長期におけるWEB集客は、広告投下や露出拡大といった「量の施策」が中心であった。しかし今後は、誰に、何を、どの地域として伝えるのかという戦略設計が問われる。
検索行動やSNS上の関心、閲覧から予約に至る導線といった、デジタル上の行動データを前提とした設計なくして、地方誘客の実効性は高まらない。
「魅力の不足」ではなく「伝え方の不足」
地方観光における課題の多くは、「魅力の不足」ではなく「伝え方の不足」にある。予算が拡大しても、WEB上で比較検討の土俵に乗らなければ、旅行者の選択肢にすらならない。
多言語対応、体験価値の明確化、公式サイトを起点としたストーリー設計といった基本施策を、戦略として積み上げることが不可欠である。
成長が緩やかになる時代だからこそ、WEB戦略の巧拙が地域間、事業者間の差を決定づける。地方誘客予算拡大は、各地域が自らの魅力と向き合い、発信の質を高める好機でもある。
デジタルを需要を設計し、地域の価値を的確に届ける戦略装置として活用できれば、地方観光は新たな成長局面を切り開くことができる。
観光施策とWEB戦略を一体で捉える視点こそが、次の成果につながる鍵となるだろう。
(株式会社プライムコンセプト 小林義道)
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