【第24回】WEBマーケティング 部屋タイプ指定なしの戦術 2011/02/10|コラム
週刊観光経済新聞にて、弊社社長の的場が「インターネット徹底集客」と題したコラムを掲載しています
今回は部屋タイプ無しの客室造成がテーマである。
「おまかせ客室」としての設定をよく見かけるが、その効用について述べたい。
第一に、売りにくいワケアリ部屋(眺望が悪い・古い・エレベーター横等)が売りやすくなるということだ。
ワケアリ部屋を「おまかせ客室」として低価格で販売する。
そして、良い部屋が空いていればサプライズでアップグレードし、満室であれば予約通りワケアリ部屋をお使い頂くというオペレーションだ。
すると、施設側は都合の良い部屋にアサインできるというメリットが得られる。
お客様も時として低料金でアップグレードというメリットが得られ、顧客満足の向上にもつながる。
第二の効用は、「お任せ客室」が、期間限定の格安プランの副作用である値崩れを防ぐ役割を果たすということだ。
期間限定プランを通常客室で販売すると単なる値下げ商品として映る。
そこで、予め低価格の「おまかせ客室」と組み合わせて販売し、通常客室と明確に区別することで、全体の値崩れを防ぐことができるのである。
第三の効用は、残室1室を売り切る手段となり得るということだ。
これは、繁忙期に大きな効果が見込める。
繁忙期は「残室1室」を売り切るかどうかが勝負の分かれ目である。
また、残室がグレードの高い部屋で予約が入った場合、まずその下位グレードのお客様をそれぞれ玉突き的にアップグレードすると複数のお客様がアップグレードの恩恵に預かることになり、お客様の満足度の向上につながるというオペレーションも可能だ。
このように多岐に渡る効用を持つ「おまかせ客室」であるが、気をつけるべき点が2点ある。
まず「低価格で売ること」とである。ワケアリ部屋などへアサインすることを想定した価格設定でなければいけない。
もう一点は客室タイプがルール化されていることが前提であることだ。
価格やグレードに明確な差があるからこそ、おまかせ客室というお得な部屋設定が活きることを覚えておいて欲しい。
(株式会社アビリティコンサルタント 的場弘明)
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