宿泊業界デジタルトランスフォーメーション（DX）改革　～ホテル旅館～　No③

宿泊業界デジタルトランスフォーメーション（DX）改革　～ホテル旅館～　No③ 2020/11/01｜スタッフブログ

プライムコンセプト　ホテル旅館コンサルティング事業部の林田裕也です。

今、宿泊業界の改革の起点として走り出しているホテル旅館のデジタルトランスフォーメーションについて
詳しく連載としてご紹介していきます。


■デジタルトランスフォーメーション（DX）での解決が期待される課題


デジタルトランスフォーメーション（DX）は、世界に追随して日本が国を挙げて取り組みたい背景としては
前回記述した通りでデジタル化の遅れによる深刻な課題と多額の損出予測がありました。

では、ホテル旅館における宿泊業界にとっては、どのような課題の解決に期待ができるのでしょうか？



①観光業界全体の課題である人材不足の課題

　ホテル旅館は全国的に慢性的な人材不足が業界全体の問題となっています。これは様々な要因が重なっている為、解決は一筋縄ではいきません。しかし通常現場が必要と考える人員の構成数と、これから訪れるデジタルトランスフォーメーション（DX）改革時代にける人員の構成数との乖離を埋める必要があります。
これは、現状の現場オペレーションにおける人員を減らす為にはどんなデジタルが必要か？と考えるアプローチも必要ですが、逆にデジタルの導入をする事で、これまでの人員構成を壊して全くのゼロベースで構築する現場の人員構成を生み出す事がデジタルトランスフォーメーション（DX）改革になります。

言い換えると現在のオペレーション自体をゼロベースにしてしまい、新たな改革的オペレーションを遂行する為に必要な人員構成を新たに考えると言う事になります。これによりより効率的で、更にお客様満足度に注力したサービス戦略が取れる現場になれると考えられます。



②人材不足に不随するサービスレベル低下の課題

　現在は①での記載した通り、人材不足です。採用できる数にも問題がありますが、そもそもでスタッフの勤務年数自体が短くなってしまう事でのスキル不足、及び全体のサービスレベルの低下という課題が現場の多くで起こっています。これをデジタルの力で課題解決を目指します。具体的には、下記の課題解決へアプローチをします。

　１）基本的なサービス水準の構築及び維持
　２）新人スタッフへの適切で正確な指導
　３）少人数でより効果的に「サービスエンカウンター」へ集中的なアプローチ

それぞれを可能にする事を目的としたデジタル構築計画を実施する事が必要になります。



③経費削減による利益率向上への課題

　①、②で記載した人材不足への解決アプローチにより業務構造自体をゼロベースで再構築し、その効率化された現場に対する人件費投入で最小限且つ最適な人員工数を作り結果として利益率の向上を目指す事が可能となります。ここでは全体のヘッドカウントの削減（リストラクション）を目的とするものでは無く、

既存人員で、膨大に使っていた事務作業や、直接的に顧客満足につながらない事務的業務を排除し、それにより残業コストの最適化と総労働時間の最適化を目指す事にデジタルトランスフォーメーション（DX）改革の意義があると私は考えます。



④サービス生産性の向上によるキャリアアップ構築課題
　
　宿泊業界におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）の意義は、この部分への改革アプローチが可能になる事が大きいと思っております。誤解の無いよう改めて書きますが、決して今までの1日のホテルや旅館での勤務が単純に楽になる事は決して無いと思います。逆に今まで顧客満足に直接アプロ―チしていない事務作業が減りより、顧客とのエンカウンターの時間が増える事は、その本人達へのサービステクニックの向上とより高いサービス感性を身に付ける事を要求する事になります。

この状況は、サービス業に携わる人にとって大きなハードルとなります。言い換えると勿論モチベーションの低いサービススタッフの淘汰が起きますし、それにより素晴らしいサービススキルを持つスタッフへ光があたる状況が業界全体で起こります。

この顧客満足向上へ直接的にアプローチするサービスエンカウンターへの対応スキルと高いサービスセンスを持つスタッフは、給与含めより高い待遇を受けやすくなります。よりプロフェッショナル化する状況がホテル旅館業界に巻き起こり、サービスレベルアップの時代が来ると思われます。私はそんな時代が来ることを本当に心待ちしていますし、考えるだけでワクワクが止まりません。


引き続き、宿泊業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）について連載をしていきます。

新たな船出は、既に始まっています。
明日のサービス業界、宿泊業界、観光業界の新たな「光」を信じて。

プライムコンセプト
林田裕也


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