【ホテル・旅館】九州ふっこう応援割を「値引き」で終わらせない 旅館・ホテルが今から考えたい「2連泊」と「オールインクルーシブ」 投稿日:2026/09/17|カテゴリ:スタッフブログ

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【ホテル・旅館】九州ふっこう応援割を「値引き」で終わらせない 旅館・ホテルが今から考えたい「2連泊」と「オールインクルーシブ」

2026年10月1日宿泊分から、「九州ふっこう応援割」がスタートします。
令和8年熊本地震からの復興と九州の観光需要回復を目的とした今回の施策では、旅行・宿泊料金の50%を基本に、熊本県・鹿児島県では60%の割引が設定されています。

旅館・ホテルにとっては、秋以降の需要を取り込む大きな機会です。
一方で、今回のキャンペーンを単純に「宿泊料金を安くするための施策」と捉えるのではなく、
「この機会に、どのような商品を作り、どのように販売するか」という視点も重要ではないでしょうか。

今回は、宿泊施設の商品造成という観点から、特に注目したいポイントをご紹介します。

目次
1.注目したいのは「2連泊」
2.「旅行総額が分かりやすい商品」にも注目
3.九州でも進んでいるオールインクルーシブ
4.販売チャネルの使い分けもポイント
5.今回のキャンペーンを「値引き」で終わらせない
6.まとめ
 

1.注目したいのは「2連泊」

今回、私たちが特に注目しているのが「2連泊の商品化」です。
すでに楽天トラベルでは、熊本県・長崎県の両県で「2泊」を条件とした国内宿泊クーポンが設定されています。
熊本県では、国内宿泊2泊限定の60%OFFクーポンが設定されており、1人泊あたりの割引上限は10,000円、先着3,390枚となっています。
また長崎県でも、国内宿泊2泊限定の50%OFFクーポンが設定されています。

楽天トラベル「熊本県 九州ふっこう応援割」

楽天トラベル「長崎県 九州ふっこう応援割」

熊本県・長崎県では、あっという間に1泊限定クーポンが利用上限に達し、その後、2泊限定クーポンもすぐに上限に達する状況でした。
もちろん、こうしたクーポンの利用状況だけをもって「2連泊の旅行需要が高い」と断定することはできません。
しかし、すでに複数県で「2泊」を条件としたクーポンが実際に設定されていることは、宿泊施設側としても注目しておきたい動きです。

今後、他県や他の販売チャネルでも連泊を促す商品設計が行われる可能性を考えると、キャンペーン開始を待つのではなく、今の段階から、「2泊したくなる商品」を準備しておくことをおすすめします。

例えば、

●2連泊限定の料金設定
●1泊目と2泊目で料理内容を変える
●連泊者限定の館内サービス
●地域観光・アクティビティとの組み合わせ
●2泊目に館内体験を付ける

などです。

重要なのは、単に「2泊すると安い」という商品ではなく、「2泊することで、1泊では得られない体験ができる」という商品設計です。
今回の九州ふっこう応援割を、単純に「宿泊料金を安くする機会」と捉えるのではなく、滞在日数を延ばし、宿泊施設と地域をより深く楽しんでもらうための商品開発の機会として考えてみてはいかがでしょうか。

 

2.「旅行総額が分かりやすい商品」にも注目

もう一つ注目したいのが、旅行全体の予算が事前にイメージしやすい商品です。
割引キャンペーンでは、『通常○万円の商品が、割引後には○万円』というように、旅行者が予算を考えやすくなります。

一方で、宿泊料金以外に食事・ドリンク・館内施設・アクティビティなどの追加料金が発生すると、最終的な旅行総額は分かりにくくなります。
そこで、今回のような大きな割引施策と相性が良い可能性があるのが、

「オールインクルーシブ型」の商品

です。

すべてを無料にするという意味ではなく、「この料金で、どこまで楽しめるのか」が分かりやすい商品として設計するという考え方です。
例えば、食事・ドリンクだけでなく、ラウンジ、温泉、館内体験、地域文化体験などを組み込むことが考えられます。
もちろん、オールインクルーシブだから必ず予約が増えるというものではありません。
しかし、旅行前に予算を把握しやすいこと自体が、今回のような割引施策における一つの価値になるのではないかと考えています。

3.九州でも進んでいるオールインクルーシブ

実際、九州でもオールインクルーシブ型の商品を展開している施設があります。
 

商品設計 施設例
食事・飲料 TAOYA阿蘇
食事+ラウンジ THE MEIBIA MIYAZAKI
食事+温泉+ラウンジ メルキュール福岡宗像リゾート&スパ    
食事・飲料 花べっぷ
食事+館内体験 ホテル南風楼
食事+地域文化体験 嬉野八十八
食事+フリードリンク+貸切 屋久島 雫ノ杜

※提供内容は施設・プランによって異なります。


ここで重要なのは、オールインクルーシブ=「飲み放題」ということではない点です。

例えば嬉野八十八では、食事やドリンクだけでなく、茶体験など地域ならではの文化を滞在価値として組み込む商品設計が行われています。

嬉野八十八「オールインクルーシブ」

つまり、「自施設なら、何を宿泊料金に含めることで、滞在そのものを商品化できるか?」という発想が重要です。

「すべてを含める」ことから考えるのではなく、自施設ならではの食、温泉、体験、地域文化などを組み合わせることで、価格ではなく滞在価値で選ばれる商品を作ることがポイントになります。



 

4.販売チャネルの使い分けもポイント

今回の九州ふっこう応援割では、販売チャネルによって対応方法が異なるケースもあります。

例えば熊本県玉名温泉の尚玄山荘では、公式サイト上で九州ふっこう応援割について、電話予約のみを割引対象とし、公式サイトからの予約は対象外と案内しています。
一方で、楽天トラベルやじゃらんなどのOTAも利用できる形としています。

尚玄山荘「九州ふっこう応援割のご予約につきまして」


これは一つの販売方法の事例ですが、宿泊施設側にとっては、「どのチャネルで、どの商品を、どのように販売するか」を考えるきっかけにもなります。

OTAでクーポンを活用する商品、公式予約・電話予約で販売する商品など、販売チャネルごとの役割を整理することも、今回のキャンペーンでは重要になりそうです。

5.今回のキャンペーンを「値引き」で終わらせない

九州ふっこう応援割は、単に「安く販売するためのキャンペーン」ではありません。

今回をきっかけに、

●2連泊の商品を作る
●2泊目の価値を作る
●オールインクルーシブ型の商品を試す
●地域体験を商品に組み込む
●販売チャネルごとの商品構成を見直す

など、今後の販売につながる商品開発を行う機会として捉えることができます。


特に重要なのは、
「割引があるから売れる商品」ではなく、
「割引がなくても選ばれる理由を持った商品」を作ること。


今回のキャンペーンで初めて訪れるお客様に、
「次回もこの宿に泊まりたい」
と思ってもらえる滞在価値を作ることが、キャンペーン終了後の販売にもつながっていくのではないでしょうか。

6.まとめ

今回の九州ふっこう応援割では、宿泊施設側も「どのように値引きするか」だけではなく、

「割引を活用して、どのような商品を作るか」

という視点が重要です。

特に、

① 2連泊したくなる商品
② 旅行総額が分かりやすい商品
③ 滞在そのものを楽しめるオールインクルーシブ型商品
④ 販売チャネルごとの商品戦略


この4つは、今から検討しておきたいポイントです。

キャンペーンが始まってから商品を考えるのではなく、「誰に、何を、どのような価値として届けるのか」を今から準備する。
九州ふっこう応援割を、単なる一時的な集客施策ではなく、これからの宿泊施設の商品戦略を見直すきっかけとして活用してみてはいかがでしょうか。
 

■最後に

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