【第378回】WEB集客最前線 (顧客を知ることから始める―AI時代の顧客データ活用) 投稿日:2026/07/23|カテゴリ:コラム
【第378回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (顧客を知ることから始める―AI時代の顧客データ活用)について。

第378回/WEB集客最前線 (顧客を知ることから始める―AI時代の顧客データ活用)
前回は、会員制度の本質は顧客との関係を継続する仕組みづくりにあると述べ、AIの可能性にも触れた。では、宿泊施設は何から始めればよいのか。
「AI」や「CRM」と聞くと、大規模な投資や専門知識が必要だと思われがちだが、本質は難しくない。CRMとは、顧客を管理することではなく、理解することである。
宿泊施設には、すでに多くの顧客データがある。誰が、どこから、何回、何人で来たのか、どのプランを選んだのか。これらはすべて顧客理解のための情報だが、多くの施設では宿泊履歴が次回の提案やコミュニケーションに活かされていない。
まず取り組みたいのは、お客様をいくつかのグループに分けて考えることだ。例えば「記念日利用」「家族旅行」「ペット連れ」「リピーター」。記念日の客には翌年同時期にプランを案内し、家族旅行の客には夏休みや連休情報を届け、ペット連れの客にはドッグフレンドリープランを紹介する。LINE公式アカウントやメール配信ツールを使えば、特別なシステムがなくても今日から始められる。
AIは、こうした顧客理解の取り組みを効率化し、高度化する存在だ。例えば、客層ごとの案内文やメルマガの文面作成をAIに任せることで、これまで時間のかかっていた業務を大幅に効率化できる。
特に始めやすいのが口コミ分析だ。これまでは担当者が一件ずつ目を通し感覚的に課題を把握していたが、AIを使えば数百件の口コミから評価ポイントや不満点を短時間で抽出できる。「料理」や「接客」は高評価だが「館内案内」や「Wi-Fi環境」に要望が集中している、と分かれば、限られた予算でも優先順位を付けて改善でき、高評価の理由を把握すれば自社の強みを商品づくりや販促に活かせる。
重要なのは、データを集めることではなく活用することだ。大がかりなシステムがなくても、表計算ソフト一つから始められる。目的は売上向上だけでなく、より良い体験を届けることにある。
顧客を追う時代から、関係性を育てる時代へ。地方の宿や中小規模の宿であっても、まずは顧客を知り、一人ひとりに合わせた情報を届けることから始めればよい。その積み重ねが再訪率を高め、選ばれ続ける宿づくりにつながっていくのである。
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