【第373回】WEB集客最前線 (選択的消費時代に問われる価値設計力) 投稿日:2026/04/30|カテゴリ:コラム
【第373回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (選択的消費時代に問われる価値設計力)について。

第373回/WEB集客最前線 (選択的消費時代に問われる価値設計力)
前号では、2026年のゴールデンウィークにおける旅行者の消費行動が「最適化」と「分散」へ変化していることを指摘した。本稿では、この変化に対し宿泊業が取るべき対応を考えたい。
まず押さえるべきは、需要は回復しているものの、「価格を下げれば売れる」構造ではなくなっている点である。旅行者はあらかじめ予算を設定し、その範囲内で最も納得できる選択を行う。競争軸は価格ではなく、「限られた予算でいかに満足度を高めるか」という価値設計に移っている。
第一に、「商品設計の再構築」である。オールインクルーシブやラウンジ付き、グランピングといった滞在型商品が支持される背景には、追加支出を抑えつつ満足度を高めたいというニーズがある。夕食時のドリンクや館内アクティビティ、軽食などを料金に組み込み、滞在中の過ごし方を明示することが有効だ。「滞在全体でいくらかかるか」を見せる設計が重要となる。
第二に、「単価の取り方の見直し」である。従来の基本プラン中心の構成では価格比較に陥りやすい。体験付きプランや上位客室を主軸に据え、複数の価格帯に応じた価値設計を提示したい。例えば、記念日利用や連泊利用を想定したプランを前面に出すことで、「安いプランを探す」行動から「目的に合ったプランを選ぶ」行動へ転換できる。
第三に、「需要分散への対応」である。ゴールデンウィークは特定日への集中ではなく、前後に広がる傾向が強まっている。ピーク日の単価最大化に加え、周辺日の稼働向上が重要だ。平日限定の付加価値プランや連泊特典、チェックイン時間の柔軟化などにより、分散需要を取り込みたい。
さらに、インバウンド需要への対応も欠かせない。訪日客はコロナ前水準まで回復して増加基調にあり、国内客とは異なる期待値を持つ。多言語対応に加え、体験内容を具体的に伝える商品設計や、食事・温泉・地域体験の組み合わせが鍵となる。
これらに共通するのは、「価格で売る」のではなく「価値で選ばれる」ための設計である。旅行者が支出をコントロールする時代においては、納得感こそが意思決定を左右する。この変化に対応できるかが、今後の収益を決するのである。
(株式会社プライムコンセプト 小林義道)
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