【ホテル・旅館】季節感で勝つ夏の戦略―。今から備える猛暑の年でも選ばれる宿へ 投稿日:2026/03/12|カテゴリ:スタッフブログ
昨年の7月〜9月を思い返すと、「夏休みなのに埋まらない」「お盆なのに予約が動かない」――
そんな声を多くの施設様からいただいた記憶が鮮明に残っています。
「7月5日に大震災が起こる」という根拠のない噂が拡散したことを皮切りに、
インバウンド需要の急減、そして記録的な酷暑による旅行者数の減少。
暑すぎて外へ出られない。移動をためらう。旅そのものを見送るなど、
旅行者の行動変化は明確で、夏の集客はこれまでとは違う局面に入っています。
今年も暑さの影響が避けられない可能性が高いなか、
「同じ結果を繰り返さないために、今できることは何か」が問われています。
ただ対策を講じるのではなく、お客様に「足を運びたくなる理由」をつくること。
そこで本記事では、昨夏の不振を振り返りながら、今から備えておきたい具体的な打ち手、
そして猛暑の年でも選ばれ続けるための“夏ならではの付加価値づくり”についてお伝えします。

昨年夏が埋まらなかったのはなぜか―。需要不振と行動変化の全体像
① 連日の猛暑による旅行意欲の低下
2025年は気象庁が“災害級の暑さ”と表現するほどの猛暑で、主要都市では連日の35℃超え、観光地でも「暑すぎて楽しめない」状況が多発しました。
実際、京都では6月末で37℃超、沖縄では湿度90%+33℃の環境で屋外アクティビティ中止が相次ぎ、「外に出るのが危険」レベルの暑さ が旅行控えにつながりました。
②物価高・交通費高騰による“節約型夏休み”
2025年は航空運賃・ガソリン代・宿泊料金が軒並み上昇し、旅行にかかる総コストが大きく膨らみました。
その結果、多くの家庭では旅行を従来の“季節の楽しみ”ではなく、慎重に判断すべき贅沢消費として捉える傾向が強まりました。
こうした物価高の影響を受け、家計の負担を抑えるために「宿泊を伴わない日帰り」や「近場で短時間の外出」 といったより手軽な夏の過ごし方を選ぶ人が増えたと見られます。
①②の背景より生まれた、消費者の行動変化は以下の通りと考えています。
● 1. 「快適性」を最優先する旅へのシフト
● 2. 近場・短距離への回帰
● 3. 館内価値の重視と“滞在型”志向の強まり
こうした行動変化は、今年の夏も同じ、もしくはさらに強まると予想されます。
だからこそ、「選ばれる宿」になるためには、昨年の傾向をふまえたうえで、今から対策を講じることが不可欠なのです。
動く需要を取り込む、直前で焦らないための対策ポイント
①キャンセルポリシーの工夫 “予約しやすい宿”が選ばれる
猛暑や天候不安によって 予約の遅れ・直前化 が顕著に進みました。
旅行者は「行きたいけれど、天候次第で判断が難しい」という心理を抱えており、キャンセル条件が厳しい宿ほど敬遠される傾向があります。
お盆期間や年末年始は「直前キャンセルにより部屋を埋めきれない」という事態を防ぐため、
通常キャンセルポリシーより条件の厳しいキャンセルポリシーを設定している宿泊施設様も多いと思いますが、
年末年始に設定している特別キャンセルポリシーより、「無料キャンセル期限を通常より長めに設定する」など工夫をしてみることもおすすめです。
②近隣県へのアピール
物価高により、遠方への旅行を控える傾向が強まる中、最も動きやすいのは「近場 × 短距離」の旅行者です。
特に、車で1〜2時間圏内の層は、“手軽さ”と“コスパ”を重視して旅先を決めるため、今こそ積極的にアピールすべきターゲットです。
楽天トラベルの宿カルテより「予約者居住地」を見ることもできるので、一度確認してみるのもよいでしょう。
管理画面TOP>宿カルテ>宿泊実績 または オンハンド実績 より(写真は旅館の一例)

需要のあるエリアに対して「近隣県・地元限定の優待プラン」を販売するなど、
“気軽に行けるのに、非日常が味わえる”という距離のメリットを打ち出すことが最大のポイントです。
※そして、これは夏だけでなく冬季の閑散期対策としても有効になります◎
③おこもり・日帰りプラン
連日の猛暑により、昨年は「外で観光するより、宿でゆっくりしたい」という滞在型ニーズが強まりました。
つまり、“館内だけで満足できる宿”は夏に強い ということです。
特に日帰りプランは、物価高で宿泊を控える層にも刺さり、稼働が落ちがちな平日や暑い昼時間帯の収益化にもつながります。
(例)
● アーリーチェックイン&レイトチェックアウトのロングステイプラン
──暑い時間帯に移動せず、館内で“避暑”できる設計。
●温泉+ランチ(または夕食)の日帰りプラン
──「宿泊はしないけれど、非日常を味わいたい」需要に最適。
● ラウンジ滞在・スパ利用・軽食などがセットになった滞在パック
──館内で過ごす時間そのものを“ご褒美時間”に昇華。
もし近隣に姉妹館・系列館がある場合は、2日間にわたる“周遊型連泊プラン” も非常に効果的です。
朝の涼しいうちに1日目の宿をチェックアウト
→ 移動時間が短いうちに2日目のグループ施設へ午前中チェックイン
→ 午後の暑い時間帯は館内でゆっくりおこもり滞在
外気温が上がる前に移動を終えるため、“暑さを避けたい旅行者”にとって理想的な動線となり、夏の負担を軽減する“新しい連泊スタイル”として訴求できます。
【番外編】安価で気軽にできる暑さをしのぐアイディア集
対策が必要なことは分かっていても、
「実際どんなことができるだろう」
「スタッフの手間やコストを増やすのは難しい」と感じている施設様も多いのではないでしょうか。
実は、全国の企業や自治体の暑さ対策を見ていくと、大掛かりな設備投資をせずとも、“小さな工夫”だけでお客様の安心と快適さを高められる取り組み が数多くあります。
番外編として一部ご紹介いたします。
■ 無料の塩分チャージや冷却アイテムの提供
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)では、来園者の熱中症対策の一つとして、塩分タブレットを無料で配る取り組みを始めました。
そのほか様々なホテルにて以下のような取り組みを行っている事例も見られました。
・冷たいおしぼりを準備
・本日の『暑さ指数』予測」掲示
・塩タブレットやウォーターサーバーの設置(無料提供)
・日傘の貸し出し など
■ 涼体験”の工夫
・氷を使った簡易ミストづくり
・風通しの良い場所に扇風機+冷感シートで即席クールスポット
・館内マップを作成して“室内で楽しめる過ごし方”を提案
・ロビーやラウンジなどを 「涼みスポット」として明示
暑さ対策というと設備投資をイメージしがちですが、実際には “気軽に・安価に・すぐできる工夫” が多く、旅行者にとってはそれだけで安心感と快適さが大きく向上します。
宿泊施設の負担を最小限にしつつ、お客様に「この宿は夏でも安心」と思ってもらえる取り組みをできるところからぜひ取り入れてみてください。
暑さを超える体験価値を——夏ならではの付加価値づくり
「観光地を歩き回る」従来型の夏の旅行ではなく、“暑さを忘れられる体験”や“涼を感じる時間” にこそ価値が置かれるようになっています。
特に暑さが厳しい地域では、“いかに館内とその周辺で快適に過ごしてもらえるか” が選ばれる鍵になります。
今年の夏、宿が選ばれるポイントは「この宿だからこそ味わえるものがあるか」という一点にあります。
■ “その宿でしか体験できない”価値の創出
●街中のホテルなら
——「涼しい館内でゆっくりしながら、夕方だけ外出」を叶える滞在導線(夕方に合わせた外出マップや日中の“館内ステイ”を充実させるコンテンツ提供)
●温泉地なら
——“夏の温冷交互湯”や“ミント湯”"足湯ならぬ足水"など、暑い季節の入浴価値を再設計(風鈴の音や間接照明を使った夕涼み風呂)
●買い物エリアが近いホテルなら
——“朝涼みローカル散歩”+館内での茶菓提供というセット企画(散策マップや開店前の路地の静けさを楽しむ散歩コース)
■ 当たり前の中にこそ“唯一無二”が潜んでいる
また、皆さんの中で「当たり前」だと思っていることも、初めて訪れた旅行者にとっては素晴らしい体験価値になることも少なくありません。
・夜しか見られない街の光
・朝だけ訪れる静けさ
・建物から見える影や光の入り方
・夏の夕暮れに吹く短い涼風
・地域住民が当たり前に使う店や路地の魅力
こうした “その土地に住んでいないと気づけない瞬間” を掘り起こすことこそ、暑さが厳しいエリアの宿が提供できる最大の付加価値です。
その土地が持つ固有の魅力を「夏の楽しみ」に変換できれば、旅行者にとって “ここでしか味わえない夏” となります。
■まとめ
猛暑も物価高も、私たちでは変えられない“外部環境”です。
しかし、その環境の中でどう価値をつくり、どう選ばれる宿になるか は、私たちの工夫と取り組み次第で大きく変わります。
どんな体験価値を提供するのか、どのように対策をするのか、
対策や施策の実施が後手後手にならないよう、役立てていただければと思います。
プライムコンセプトでは、ホテル・旅館の支援において1000施設以上の実績を持ちOTA集客の運用サポートも行っております。
集客でお困りのことがありましたらプライムコンセプトまでお気軽にお問合せください!
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