【第370回】WEB集客最前線 (拡大する訪日市場と、公式サイトの役割を考える) 投稿日:2026/03/17|カテゴリ:コラム
【第370回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (拡大する訪日市場と、公式サイトの役割を考える)について。

2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人、旅行消費額は9兆4,559億円と過去最高を更新
2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人、旅行消費額は9兆4,559億円と過去最高を更新した。コロナ前の2019年(3,188万人)と比べ旅行者数は約34%増、1人当たり旅行支出も15.9万円から22.9万円へと上昇している。インバウンド市場は量・金額ともに回復を超え、新たな拡大段階に入ったと言える。
価格の安さだけで比較される状況から、どうすれば価値で選ばれる存在になれるか
一方で、2024年の1人当たり旅行支出は約21.3万円、2025年は約22.9万円と、伸び率は約7%台にとどまる。旅行者数の増加幅と比べると、その伸びは緩やかだ。消費総額の拡大は、単価の急伸というよりも訪日客数の増加による影響が大きい構造といえる。また、消費の中身にも変化が見られる。かつて約4割を占めた買物支出は現在では約3割弱に低下し、その分、宿泊費(約33%)や飲食費(約22%)など滞在に関わる支出の比重が高まっている。
こうした変化は、ホテル・旅館にとって大きな可能性を示している。滞在価値そのものが評価されやすい環境になりつつあるからだ。ただし同時に、価格の安さだけで比較される状況から、どうすれば価値で選ばれる存在になれるかという課題も見えてくる。
「タビマエ」の段階での情報接点
ここで改めて考えたいのが、旅行前、いわゆる「タビマエ」の段階での情報接点である。OTAは依然として強力な集客基盤であり、インバウンド市場では重要な入口となっている。一方で、価格や立地といった比較軸が中心になりやすく、施設固有の世界観や体験価値を十分に伝えるには工夫が必要だ。
その中核となるのが公式サイトである。公式サイトは、ブランドの背景や滞在中の体験、地域との関係性を自由に表現できるタビマエの主戦場だ。どの市場に向け、どの魅力をどう伝え、どの価格帯の商品へ導くのか。その設計次第で、単価の可能性は大きく変わる。市場別のローカライズに加え、CRMによる顧客データの活用や多言語対応チャット機能の整備など、予約前段階のDX強化も重要になる。
インバウンドの成長を自社の持続的な収益へと結び付けられるかどうか。その鍵の一つが、タビマエの設計にある。次号では、その具体的な実践策について考えてみたい。
(株式会社プライムコンセプト 小林義道)
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