【第383回】WEB集客最前線 (WEB担当者は『集客係』から『経営参謀』へ) 投稿日:2026/10/06|カテゴリ:コラム

【第383回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (WEB担当者は『集客係』から『経営参謀』へ)について。

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【第383回】WEB集客最前線 (WEB担当者は『集客係』から『経営参謀』へ)

第383回/WEB集客最前線 (WEB担当者は『集客係』から『経営参謀』へ)

兵庫県のある温泉旅館では、生成AIの導入後、代表者の役割が変わった。文章を一から書く作業から、AIの文案を確認し最終判断を下す役割へ。事務作業時間は体感で半減し、浮いた時間を販売戦略の検討に充てているという。これは一施設の話にとどまらない。宿泊業界全体で、WEB担当者に求められる役割そのものが変わりつつある。
本連載では、「利益」をキーワードに、コスト高騰時代のWEB集客、利益を残すための実践ポイント、そして生成AIの活用について紹介してきた。その先にあるのが、この役割の転換である。
 
これまでWEB担当者の役割は「予約を増やすこと」であった。ホームページを更新し、OTAを管理し、SNSを運用し、広告を出稿する。いかに多くの予約を獲得するかが評価の基準だった。
背景には深刻な人手不足がある。帝国データバンクの調査では旅館・ホテル業の77.9%が非正社員の採用に意欲を示す一方、正社員採用に踏み切れる企業は全産業平均でも60.3%にとどまる。増員だけに頼れない以上、求められるのは「作業」ではなく「判断」である。どのOTAに在庫を出すか、どのプランを売るか、どの顧客層に情報を届けるか。数字に基づいて判断し、販売戦略を組み立てる役割へと変わっていく。
 
愛知県のある旅館は、2017年から公式サイトのリニューアルとSNS・OTAの活用に地道に取り組み、2025年度には売上約1.8倍、客単価約1.4倍を実現した。一つの施策が効いたのではなく、経営指標まで見渡した設計を積み重ねた結果である。
そのためには、予約件数や売上だけでなく、ADR、RevPAR、チャネル別利益率、リピート率など経営指標まで視野を広げる必要がある。WEB担当者は「集客担当」ではなく、経営と現場をつなぐ存在へと変わっていく。
 
もちろん、AIがすべてを判断してくれるわけではない。施設の魅力や提供する体験をどう考え、形にするかは人の仕事である。
WEBは単なる集客手段ではなく、利益を生み出す経営そのものである。宿泊市場は変化を続けるだろうが、お客様に選ばれる価値を磨き、正しく伝え、利益として積み上げるという本質は変わらない。その中心にいるのが、これからのWEB担当者である。本連載が、その一助となれば幸いである。

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