【第377回】WEB集客最前線 (集客競争から再訪競争へ、宿の会員化戦略) 投稿日:2026/07/03|カテゴリ:コラム

【第377回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (集客競争から再訪競争へ、宿の会員化戦略)について。

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【第377回】WEB集客最前線 (集客競争から再訪競争へ、宿の会員化戦略)

第377回/WEB集客最前線 (集客競争から再訪競争へ、宿の会員化戦略)

前回は「追う時代から、関係性を育てる時代へ」というテーマで、旅行者は単なる宿泊客ではなく「将来の顧客」「将来の再訪者」でもあると述べた。では、その関係をどう育てればよいか。答えの一つが「会員化」である。
 
これまで多くの宿泊施設は、OTAを通じて集客し、チェックアウトとともに関係が終わる構造だった。OTAは重要な販売チャネルだが、新規顧客の獲得競争が激しくなるなか、依存しすぎた集客モデルには送客手数料の上昇や顧客接点の限定といった課題も指摘されている。これから求められるのは、一度訪れたお客様との関係を継続し、再訪につなげる仕組みづくりである。
 
会員制度というと、ポイントカードや割引制度を思い浮かべる方も多いが、本質はそこではない。顧客との接点を持ち続けるための仕組みである。
実際、ホテル業界では会員プログラムの重要性が高まっている。2026年公表の調査では、アジア太平洋地域(中国を除く)の旅行者の89%が何らかのロイヤルティプログラムに参加しているという。世界最大級のマリオットの「Marriott Bonvoy」は、2025年末時点で会員数が約2億7,100万人に達し、会員による宿泊は全世界の客室販売の68%を占める。
 
地域旅館や中小規模の宿が同じ規模の制度を構築する必要はない。重要なのは規模ではなく、お客様と継続的につながる仕組みを持つことだ。誕生月特典、会員限定プラン、先行予約案内、地域イベントの情報発信など、小規模な宿でも実践できる方法は多い。
 
これからの宿泊施設に求められるのは、「何人集客したか」ではなく「どれだけ再訪につなげられるか」を考えることだ。OTA予約から宿泊、関係終了ではなく、OTA予約から会員化、再訪、ファン化へ。その循環をつくれる宿こそが、これからの時代に選ばれ続ける宿になるだろう。
 
会員制度で蓄積された顧客情報は、今後AIの活用でさらに価値を高めていく可能性がある。次回は、AI時代の顧客データ活用と、小規模な宿でも実践できるCRMについて考えてみたい。

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