【第376回】WEB集客最前線 (顧客を追う時代から、関係性を育てる時代へ) 投稿日:2026/06/23|カテゴリ:コラム

【第376回】週刊観光経済新聞掲載の、弊社取締役本部長 小林義道によるWEBマーケティング インターネット徹底集客の記事のご紹介です。
今回のテーマは、WEB集客最前線 (顧客を追う時代から、関係性を育てる時代へ)について。

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【第376回】WEB集客最前線 (顧客を追う時代から、関係性を育てる時代へ)

第376回/WEB集客最前線 (顧客を追う時代から、関係性を育てる時代へ)

観光業界では長らく、来訪者数や宿泊者数の増加が成果指標とされてきた。自治体は観光入込客数を追い、宿泊施設は稼働率や宿泊人数の向上を目指してきた。しかし、旅行者の行動は大きく変化している。旅行はもはや「その場で終わる消費」ではなく、旅行前後を含めた長期的な関係性を生み出す経済活動へと進化しつつある。
 
その変化を示す興味深いデータがある。エクスペディア・グループが2026年6月に発表した、7か国の旅行意思決定者3,500人を対象とした調査によると、旅行者の62%が直近のレジャー旅行に関連して衣服や電子機器などの非旅行商品を購入していることが明らかになった。特にZ世代では75%、ミレニアル世代では72%に達しており、旅行が新たな消費行動の入口となっていることがうかがえる。
さらに注目すべきは旅行後の行動である。非旅行商品を購入した旅行者の72%が帰宅後も追加購入を行っている。旅先で知った食品や飲料をオンラインで購入した人が40%、新たに知ったブランドの衣類やアクセサリーを購入した人が30%に上った。また、73%が旅先で初めて高級ブランドやプレミアムブランドを知ったと回答している。
 
これらのデータが示しているのは、旅行が「一度きりの消費」ではなく、継続的な購買や関係性の起点になっているという事実である。
従来、観光事業者は「何人来たか」「いくら使ったか」という視点で旅行者を捉えてきた。しかし現在の旅行者は、旅先で地域の文化や商品、ブランドと出会い、その後も継続的に関わり続ける存在へと変化している。つまり、観光客は単なる宿泊客ではなく、「将来の顧客」であり「将来の再訪者」なのである。
 
人口減少が進むなか、新規顧客の獲得競争は今後さらに激しくなる。一度訪れた旅行者との関係をいかに継続できるかが重要になる。旅行後も地域の商品を購入してもらう、SNSでつながる、再訪してもらう。そうした顧客生涯価値(LTV)や再訪価値を高める取り組みが、これからの観光地経営や宿泊施設経営における競争力となるだろう。
 
宿泊施設は「部屋を売る産業」から「顧客との関係性を育てる産業」へと変化しつつある。重要なのは、「何人来たか」ではなく、「何人とつながり続けられるか」である。
 
次回は、その関係性をどのように構築するのか。会員プログラムやCRM、そしてAI活用の可能性について考えてみたい。

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