東日本大震災発生後の観光地の現状 第2 弾 松島及び太平洋沿岸(2011/10/22~12/18)

被害の大きいとされる三陸を訪れる機会がありましたので、御報告いたします
この日は気仙沼から南三陸にかけて太平洋沿岸国道45 号線を走りました

気仙沼バイパスより南下し始めると瓦礫の集積所が

至る所で復旧工事が進められている

廃墟と化した歌津地域

今回のルートで最もひどく映った志津川地域

まず印象に残ったのは津波に流されてコンクリートの土台だけになった家屋の残骸の多さ。海沿いを走る三陸鉄道の線路は勿論跡形もなく、支柱だけ残されおり、津波の凄まじさを実感できる

塩害によって枯れてしまった木々はここまで波が到達したのだという事実を物語るように赤褐色に変色している
このように震災から半年以上がたつ現在でも依然当時のままと思われる風景が三陸には残されていた
このような風景を目の当たりにするとやはり心が痛みます

南三陸より内陸へ戻ったのだが、このあたりの観光ホテル「南三陸ホテル観洋」は元気に営業を開始していたようだ
翌日は松島から塩釜へ遊覧船に乗りました

まずは松島、国宝の瑞巌寺。前回5 月に訪問したと際と変化はないようです。修繕工事を引き続き行っていたので本堂は拝観できません。五大堂も前回同様で灯篭は倒壊したまま。

 

そしていよいよ松島遊覧へ…松島観光のメインはやはり塩釜までの船旅ですね。
船内で料金を払うと2 階のグリーン席で快適に過ごせます。勿論一般席も快適で、売店ではアルコール類がよく売れていました。ここではカモメに餌をあげて楽しんでいる方が見られました。生ビールを頼むと付いてくる笹かまが異様に美味しく感じます。
この日は日曜日ということもあってか、このあたりは観光客で賑わいを見せていました。
特に塩釜で訪れた笹かま工場では昼食を求める観光バスが10 台ほど見えて賑わっていました。

太平洋側というと関東近郊でも津波の被害にあっています。観光地としては茨城県那珂湊・大洗、北茨城五浦、福島県小名浜・塩屋崎灯台、松川浦・・・
現在調査できているのは、那珂湊・大洗と小名浜塩屋崎灯台です
那珂湊・大洗に関しては震災後2 度ほど訪れました
大分元の活気を取り戻しており、那珂湊のお魚市場も綺麗になっていました
いまだ原発問題が残る福島よりも近場なのと日帰りでいける距離が魅力なのでしょう。そこで12 月に福島の小名浜と塩屋崎灯台へ調査しに行ってきました

塩屋崎灯台といえば高台にある美空ひばりさんの歌碑で有名ですが、土産物施設の山六さんに訪ねたところ、そこまで津波が襲ったようです。ここより先の海岸線沿いはビーチが広がっているのですが、そこは三陸で見た光景と同じ状況でした。廃墟と化した町並みはここにも津波で流された家々が存在したことを示しています。普段は観光バスで賑やかな場所もこの日は日曜日でしたがマイカーが数台といった様子。その先は福島原発が存在している悪いイメージは簡単にはぬぐえそうにありません。これは小名浜も同様で、そこにはいわきららみゅうという観光物産施設があり、観光バスが何台も立ち寄るスポットなのですが、お昼時にも関わらず1 台も見当たりませんでした。ただ、水族館との間に新しい観光物産施設が新たに出来ていました。福島の海というイメージは他の被災地の海より深刻な状況が続くのではないかと今回の調査で感じました。